知らないと損する!即日融資が可能なビジネスローンの特徴と活用

アベノミクスで少しは景気も回復してきましたが、まだまだ自分のところまで届いていないと感じられている経営者の方も少なくないのではないでしょうか。世間では日経平均株価が上昇し国内経済指標も軒並み改善してきましたが、自社では受注が少しは伸びたものの資金繰りが相変わらず苦しいといわれる事業者もまだまだ多いかもしれません。

また、これまでの長引いた不景気により資金が枯渇してしまい新たなビジネスチャンスが巡ってきていてもそれに取りかかれず指をくわえて眺めているだけ、というよう事業者も少なくないかもしれません。そして、「こんな時素早く融資してくれる金融会社があれば・・・金融商品があれば・・・」と苦々しい思いをしている経営者の方も多いのではないでしょうか。

そんな思いのある経営者に大いに役立つビジネスローンが今注目されています。企業への従来型の融資は銀行などの民間の金融機関や公的な金融機関などにより以前から行われており、企業活動を支える重要な資金調達源であることには今も変わりありません。しかし、それらの融資はその決定や実行までにかなりの時間を要するという欠点があるのです。

それに対してビジネスローンは審査の自動化が進められ従来型の融資より格段に審査スピードが向上し機動的な融資を実現しています。特に消費者金融などを中心としたローンでは即日融資が可能なタイプが現われているのです。週や月単位で融資の決定を待たないといけない従来型と違った迅速さが売りのビジネスローンを紹介しましょう。

現在のビジネスローンの特徴

  • 全般的な特徴
  • 銀行系
  • ノンバンク系
  • 即日融資

ビジネスローンは大きく銀行系と消費者金融などのノンバンク系に分けることができますが、全体的な特徴としては、無担保、第三者保証不要に加え、従来型の融資と比べて審査から融資の実行までの時間が非常に短い点が挙げられます。また、企業に求められる書類や資料などが少ないため準備の負担が小さい点も企業にとっては魅力的といえるでしょう。

ただし、融資限度額が少なく金利が高めなローンが多いというのが従来型と比べ見劣りする点といえそうです。そのビジネスローンも銀行系とノンバンク系ではローンの内容に違いが見られます。

銀行系の特徴はノンバンク系と比べ融資限度額が大きく金利が低い点が魅力的です。無担保、第三者保証人不要という条件で限度額を1億円という高額な設定にしている銀行もあります。また、金利も変動金利ではあるものの2%台前半で設定しているところがあるほど低金利になっています。

ただし、審査には一定の時間がかかりノンバンク系のローンよりも少し長いとみてよいでしょう。(こちらもご参考に→審査が速い事業者向け即日キャッシング)また、2~3期の決算書、納税証明書や商業登記簿謄本などの書類が多く求められることもあるので企業にとっては用意する手間がある程度かかります。

一方、ノンバンク系の特徴は銀行系と比べて必要書類が少なく審査から融資までの時間が短い点が魅力的といえるでしょう。ローンの中には当日の申し込みで当日の融資を実行するという即日融資に対応しているところもあります。即日融資でなくても銀行系よりも審査時間が短いことが多く機動的な融資を希望する場合に適しています。

ただし、ノンバンク系のローンでは融資限度額が少なめで金利が高い傾向にある点がデメリットといえそうです。融資限度額は300~500万円程度が多く、金利は限度額に応じて変わってきますが10%を超える場合も少なくありません。企業にとっては数百万円の借入れは大きな負債ではないかもしれませんが、長期に借りると利息の負担は厳しくなるでしょう。

そして、注目すべきはノンバンク系の中に即日融資に対応しているローンがある点です。このローンは個人向けのカードローンに類似して必要書類を準備しておけば当日中の借入れも可能なのです。急な資金繰りの悪化、突発的な費用の発生などつなぎ資金の調達にはこの即日融資が可能なビジネスローンが強い味方になってくれるのではないでしょうか。

即日融資が可能なビジネスローン

即日融資が可能なビジネスローンは主に大手消費者金融にみられます。短時間での審査を実行するには自動審査システムがどうしても必要となるため、そうしたシステムを用意できるところ、そうしたノウハウがあるところに限定されてしまうのかもしれません。

  • プロミス
  • アコム
  • モビット
  • シンキ

プロミスの概要

実質年率 融資限度額 審査(時間) 即日融資
6.3%~17.8% 300万円 スピード審査 可能

プロミスには個人事業者向けのカードローンがあり最大で300万円までの融資が可能となっています。そして、迅速な審査を実現して即日融資に対応しているのです。資金用途としてはもちろん事業用資金になりますが、私的な用途に利用することもできます。

個人向けのカードローンと同様に融資限度額の範囲であれば自由に借入れすることができ、借入れや返済の際には全国のプロミスATMや提携ATMを利用できるので大変便利です。金利は6.3%~17.8%となっており、これも個人向けとほとんど同じレベルとなっています。

アコムの概要

実質年率 融資限度額 審査(時間) 即日融資
12.0%~15.0% 300万円 スピード審査 可能

アコムも個人事業者向けのカードローンがあります。融資限度額が最高300万円までで申し込んだ当日から利用できる即日融資が可能となっており個人事業者の資金ニーズに応えています。資金用途も自由となっているので事業用から私的な用途まで利用できます。

もちろん融資限度額の範囲であれば自由に借入れすることができます。金利は1万円~100万円未満が12.0%~18.0%、100万円~300万円の範囲が12.0%~15.0%となっており、下限金利がやや高めで上限金利がやや低めという設定になっています。

来店しての申し込みの場合、審査はその場で行われ結果もその時に伝えるというスピード審査が行われています。来店以外の場合、審査結果は担当者から電話やメールで回答されることになっています。

モビットの概要

実質年率 融資限度額 審査(時間) 即日融資
4.8%~18.0% 500万円 最短30分 可能

モビットの場合はビジネスローンや個人事業者向けローンというような専門ローンはありませんが、個人向けカードローンでも個人事業者の利用が可能となっています。つまり、個人事業者が個人向けカードローンを事業用で利用するという形態になります。

したがって、融資限度額は500万円までで金利は4.8%~18.0%とする個人向けと同様の設定となりますが、実際の借入条件はその個人事業者の収入状況などにより決まってくるでしょう。もちろん限度額の範囲なら自由に借入れが可能となっています。

個人事業者の場合、確定申告書に加え「営業状況確認のお願い」という書類の提出が必要になることもあり、会社員などの個人と比べ多少手間がかかりますが、即日融資のためには準備をしっかりしておく必要があります。

シンキの概要

実質年率 融資限度額 審査(時間) 即日融資
13.0%~18.0% 1万円~300万円 最短即日回答 可能

新生銀行グループのシンキでも個人事業者と法人経営者向けのビジネスローン「オーナーズセレクトカード」を運営しています。融資限度額は300万円までで金利は13.0%~18.0%となっており、事業資金から個人的な使用まで可能となっています。

設定金利は限度額に応じて決まりますが、限度額が5~99万円の場合金利は18.0%、100~200万円の場合金利は15.0%、201~300万円の場合金利は13.0%になります。

インターネット経由で申込めば審査結果はメールで回答され、必要書類を準備の上近くのレイク自動契約機まで行って手続きすればその場でカードが発行され併設のATMから直ぐにキャッシングができます。つまり、即日融資も可能なのです。
(⇒即日融資可能な法人向けキャッシングはどこがある?

*以上のローン各社のデータは2014年9月13日現在の内容となっています。

銀行系ビジネスローンの特徴と例

中小企業への融資を拡大させるための商品として大手都市銀行から生まれてきたビジネスローンは今なお進化を続けさまざまなタイプのローンも生まれています。銀行系のビジネスローンを融資限度額の範囲でみると、500万円程度までのタイプ、3000万円程度までのタイプ、1億円程度までのタイプに分けることができます。

500万円までのタイプでは少額の融資を気軽に借りられるローン商品として位置づけられ、個人事業者及び法人の経営者が対象ですが主に個人事業者向けのローンとみてよいでしょう。原則、無担保、第三者保証人不要となっていますが、個人事業者を除き法人の経営者は保証人となることが要求されることもあります。

この範囲の融資限度額としては10~500万円までが多く金利は5%~15%の範囲が中心になりますが銀行によりかなりばらつきがあります。単に近いから、地元だからという理由で選ぶと金利で損する可能性もあるので注意しておいたほうがよいでしょう。書類なども本人確認資料、個人では確定申告など、法人では2期分の決算資料などが必要となります。

3000万円程度までのタイプでは、信用保証協会の保証付きのタイプ、独自審査に基づくタイプなど様々なタイプがあり、対象者は主に法人となっています。第三者保証不要、無担保での融資となっていますが、法人の代表者を保証人としたり、連帯保証人としたりすることも少なくありません。

また、必要書類も税務申告書、決算書、商業登記簿謄本、印鑑証明書、納税証明書などや銀行独自の書類の作成を求められることもあります。審査に関しては自動審査による比較的短い期間で回答を得られる場合も少なくないようですが、中には1週間以上かかることもあるので予め確認しておく必要があるでしょう。

1億円程度までのタイプは大手都市銀行などが提供しているローンで運転資金、設備投資や決算関連費用などの資金用途として利用できます。無担保、第三者保証不要ですが、代表取締役が連帯保証人となることを要求されることもあります。高額融資の場合変動金利で2%台の前半を提示しているところもあるなど融資額の大きさに見合った低金利となっています。

必要書類は、3期分程度の税務申告書、最新決算期の納税証明書(法人税、消費税)や商業登記簿謄本などとともに銀行独自の資料を要求されることもあります。また、銀行によっては事務手数料などが徴収されることもあるので予め確認しておいたほうがよいでしょう。審査時間は銀行によってばらつきはあるものの1週間程度といったところです。

  • 武蔵野銀行のビジネスローン「応援力」
  • 千葉興業銀行のビジネスローン「クイックコスモス」
  • 三井住友銀行の「ビジネスセレクトローン」

武蔵野銀行のビジネスローン「応援力」

実質年率 融資限度額 融資期間 用途
12.0%~14.0% 10万円~300万円 1~5年 運転資金、設備資金

千葉興業銀行のビジネスローン「クイックコスモス」

実質年率 融資限度額 融資期間 用途
2.35%~(変動金利) 100万円~3000万円 3年以内 事業性資金

三井住友銀行の「ビジネスセレクトローン」

実質年率 融資限度額 融資期間 用途
2.125%~(変動金利の場合。固定金利もあり) 1億円以内 最長7年(据置期間の設定も可能) 運転資金、設備資金、決算・賞与資金

即日融資を賢く利用するためには

今まで見てきたように銀行系のビジネスローンなどと比べて即日融資が可能なローンには、審査時間が非常に短く当日の融資が可能な場合がある、審査に必要な書類も少なく手間が少ない、融資限度額の範囲内で繰り返し利用できるタイプが多い、無担保・第三者保証不要に加え個人事業者には連帯保証人などがほとんど要求されない、などのメリットがあります。

一方、対象者が個人事業者に限定されることがある、金利がやや高めである、限度額が小さい、必要書類は銀行系ローンより少ないが個人向けローンよりは多い、などのデメリットや注意点があります。こうした点を回避する、最低限度に抑えることが、即日融資が可能なローンを賢く利用するために必要といえるでしょう。

利用対象者に関する注意点

即日融資が可能なローンの利用対象者は個人事業者と法人の経営者になりますが、前者を限定としているローンでは法人経営者の方は利用できなくなります。その場合、法人経営者は個人向けのカードローンを契約する、法人として契約する、などの方法がとれます。また、個人事業者に対し業務年数の条件を設定していることもあるので注意が必要です。

金利と返済に関する注意点

一般的なタイプの金利は12~18%程度となっており、銀行系ローンに比べて割高といえるかもしれません。もちろん融資限度額の大きさや審査スピードなどの違いがありますが、全般的には高めであるといえそうです。例えば、あるローンで250万円を金利14%で借り12カ月で返済すると、毎月の返済額は約224470円で、この場合の利息は193640円になっています。

しかし、これをよく翌月に返済すると、利息は約28770円ですみます。このように1年かけて返済する場合の利息は約224470円、翌月返済の場合は約28770円ですみます。確かに1年かけて支払うと毎月の返済がとても楽になるでしょうが、250万円の資金調達に約22万円ものコストをかけてしまえば利益が大幅に減少してしまうでしょう。

このような借入れが1回だけであれば事業全体に与える影響は軽微なものといえるでしょうが、他の借入れでも同じような傾向があるなら要注意です。支払利息の多さが経営を大きく圧迫することになりかねないですし、何よりコストや利益確保の意識の低さが儲からない企業体質の土壌を作ってしまう恐れもあります。

緊急時に素早く手当てできる便利なローンですが、金利が高めなので極力早めの返済を実行していかないとその借入れ自体が資金繰りの悪化を招くということを肝に銘じて利用するべきでしょう。

融資限度額で気をつけたい点

融資限度額は、1~500万円の範囲で設定されているものがほとんどで、特に300万円までのローンが中心といえそうです。この額であれば個人向けのカードローンと同じか、少ない場合もあるので、個人向けと同額であると勘違いしないように気を付けていたほうがよいかもしれません。

例えば、プロミスの場合、個人向けのカードローンの限度額は最大500万円であり、個人事業者向けローンは最大300万円となっています。個人事業者でも500万円を借りられるのでは、と勝手に思い込み500万円をあてにしても最大でも300万円までしか調達ができないので少し注意しておいたほうがよいでしょう。

総量規制の活用

ビジネスローンでは、個人事業者は一定の要件をクリアすれば総量規制の対象外として借入れすることができます。しかし、法人代表の方は総量規制の対象となるので注意が必要です。この場合の個人事業者は法人格をもたない事業経営者のことを指します。したがって、個人事業者は条件付きで年収の3分の1を超える借入れができるようになるわけです。

その要件の内容とは、申し込む個人事業者が直近の確定申告書を提出する、事業計画、収支計画と資金計画を提出する、そして事業計画、収支計画と資金計画からみて、その個人事業者の返済能力を超えない範囲の融資である、こととなっておりこれらの要件を満たせば年収の3分の1を超えた借入れが可能となるのです。

個人向けのカードローンと同じように認識していれば、借りられるチャンスを見逃してしまうことになるのでよく覚えていた方がよいでしょう。また、事業計画などの資料の準備が必要となるので、早めに相談して作成を済ませておくことが一刻でも早い借入れの実現につながるはずです。

そして、このケースでは審査に時間がかかり即日融資が困難になる可能性もあるので予め確認しておいたほうがよいでしょう。

必要書類に関する注意点

1000万円を超える大口融資の場合よりも要求される書類や資料は少ないですが、個人向けローンよりは少しだけ多くなります。いかに即日融資が可能なローンであっても提出書類が揃っていなければ審査ができないので、当日中の借入れももちろん不可能となります。個人向けと勘違いすることなく確実に用意して審査に臨まなければなりません。

書類としては、本人を確認できる書類、収入を証明する書類、事業の実態を証明できる資料などが要求されます。本人確認では、運転免許証、健康保険証やパスポートなどになります。収入証明では、確定申告書、青色申告決算書などになります。また、事業証明では、営業許可証、受注書、発注書、納品書、請求書、領収書、報酬明細に類する書類などになります。

実際に必要となる書類は各ローンによって異なるので、申し込むローンの内容を予め確認しておき、よくわからない場合は電話などで尋ねて疑問を解消してください。手続を開始して必要な資料が足りない、記入すべき内容が異なっている、形式が違う、などの不具合が生じれば審査に入ることができず結果として借入れが遅れてしまう、ということを忘れないようにしてください。